附属中学は本当に難化している?(関関同立編)
大学の入試改革に翻弄され大学附属中学の倍率が軒並み上昇!とかよく耳にします。
関東限定とは思っていたのですが実際関西の大学附属中学校はどうなのかを検証したいと思います。
今回は関西の有力大学、関関同立系の附属中学校の倍率をみていきます。
過去2年から6年間の推移をグラフにまとめてみましたが、試験の方式が変更されたり日程が異なったりしているので一概には判断できないので参考程度かもしれませんが、入試の解禁日をメインとして考えたいと思います。
関西学院大学系列中学校
男子は緩やかに女子は2017年より増加傾向、2020年は方式がA日程(1月18日)とB日程(1月21日)に変更されたため、A日程のみをグラフにしました。
戦略成功と言えるのか定員数が分散され2020年は競争率が爆上げとなってしまいました。
実質の受験者数はやや増といった感じです。
関西学院千里国際中等部はインターナショナルスクール色が強い学校なのでグローバル化される日本の将来を見据えての選択でしょうか。2018年を底に受験者数、倍率共に増加しています。ただ、一般入試は1月19日(日)となっていましたので若干条件が異なってしまいます。
啓明学院中学校ですが、男子の受験者数はやや増加傾向ではあるが合格者数を考えると1.3倍位で推移、女子に関しても2019年はグッと増えたもののほぼ1.4倍位で推移しています。安定した推移かなと思います。
関西大学系列中学校
関西大学第一中学校ですが、大学入試改革が言われだした2018年より男子の実質倍率は1.6倍から1.9倍前後に、女子は1.4倍から1.8倍前後に受験者数が底上げしたようです。
関西大学中等部ですが、2020年は昨年度の揺り戻しで男女ともに受験者数は増加しました。又、合格者数が減ったため倍率が2倍前後と厳しい状況でした。
関西大学北陽中学ですが、毎年急激な増加はないものの、徐々に受験者数は増えています。来年もこの傾向が続けば志願者数は3桁乗せ、受験者数も90人代に乗りそうです。やや難化傾向か。
同志社大学系列中学校
同志社中学校ですが、男子はある一定数を維持しており安定しているようです。ただ、女子は高槻中学校が共学化されてからが原因かやや受験者数は2020年やや持ち直しましが減少傾向にあるようです。
同志社国際中学校はどうしても一般の募集定員が少ないため競争率は高くなってしまいます。こちらも大学の入試改革の影響でしょうか2017年を底に受験者数は増加傾向ですが、2020年はほぼ横ばいとなり落ち着き感がでてきました。
同志社女子中学校はデータが少ないので見極めが難しいですが、しっかりした人気を維持しています。又、大幅に増加した2019年の揺り戻しが、2020年ははっきりと出ておりLA、WA共に減少しました。
同志社香里中学校ですが男女ともに受験者数が増える傾向が続き、高い倍率が続いていました。2020年でようやく倍率も下げ、高まりすぎた熱は何か大きな環境変化がない限り、2019年が天と考えるのが妥当かもしれません。
立命館大学系列中学校
立命館中学ですが、受験者数は増加傾向ですが合格者も増えたためADコースはやや易化、総合はA,Bとも倍率も上げ難化傾向でしょうか。
データが少ないため入手でき次第アップロードいたします。
立命館宇治中学校も受験者数も増え難化傾向と考えていいかもしれません。立命館宇治に限らずですが、試験の方式が多すぎて理解するのに少し時間がかかってしまいます。幅広い層の生徒を集めるのが目的なのかもしれませんがどうなんでしょう。
立命館守山中学校もデータが揃い次第アップロードいたします。
まとめ
下記をご覧いただくとわかりやすかと思いますが、確かに年々関西圏の児童数(青い棒グラフ)は減少しています。
にも関わらず児童の受験者数は増加傾向(緑の折れ線グラフ)となっています。
データが中途半端ですが、2018年から2019年の関西圏の受験者数の割合は0.29%増加しており、黄色の折れ線グラフは関関同立系の中学校の受験者数の割合です。
解禁日の午前だけを抽出しているのですが割合で全体の103%増に対して関関同立系列は108%の増となり、伸び率は高くなっています。
この数字だけで判断するのなら、大学附属系列を代表する関関同立系はやや難化していますが関東ほどの過熱ぶりは無いように思えます。
じゃあ2020年はどうだったのか。もう少しデータが揃い次第、再度検証したいと思います。
※関西大学北陽中学校の2020年度の入試結果が出ましたので追記。(2020/03/08)